皆様、こんにちは!事業性評価ツールマガジンの管理人、中小企業診断士の西本です。
11月14日の報告会という「決戦の日」が迫る中、第9回会議(10/16開催)は、執筆を終えたばかりの最終報告書の原稿をチェックし、公的な提言文書としてふさわしい「最後の磨き」をかけるための、厳しくも熱量の高い議論の場となりました。
Zoom会議室に集結したメンバーは、一字一句、表現の正確性や論理の普遍性を検証。そして、報告会当日の役割分担を決定し、ゴールに向けたタイトなスケジュールを共有しました。このチェックこそが、報告書を単なる「調査結果」ではなく、「現場を変える提言書」へと昇華させるための、重要なプロセスです。
原稿チェックの舞台裏 — 提言のリアリティと表現の正確性を問う
会議の核となったのは、各章の執筆担当者が書き上げた原稿に対する、相互のフィードバックです。プロの診断士集団だからこそ生まれる、「事実」と「提言の実現性」に焦点を当てた鋭い指摘が相次ぎました。
1. 提言の実現性を問う、西口リーダーからの指摘
プロジェクト全体を統括する西口リーダーからは、提言のリアリティに関する重要な指摘が出ました。
「原稿内で『企業価値担保権付き融資の前提要件』としてローカルベンチマーク(ロカベン)の使用が必須であるかのように読める表現があるが、これは推奨レベルで記述すべきではないか。この書き方では、現場の担当者にさらなる業務負荷として捉えられてしまう可能性がある」(西口リーダー)
公的機関への提言である以上、現場が実現可能と感じられるよう、厳密な事実確認と表現の緩和が必要であることが確認されました。また、報告書の導入部が「事業性評価ツール」の話に唐突に流れ込んでいる点も指摘され、読者の問題意識に寄り添う、自然な導入への修正が求められました。
2. 論点の普遍性とツールの正確性を問う、原・藤原両氏からの指摘
主に「断絶」の構造を分析した第4章を担当したメンバーからは、論理の正確性に関する深い指摘が飛び交いました。
- 原氏からの指摘: 「(1)【目的の断絶】の議論は、事業性評価ツール全体の話であるにもかかわらず、固有名詞が『知的資産経営報告書』に偏っている。この論点が普遍的な課題であることを示すため、他のツールの固有名詞も適切に組み込み、論理を補強すべきだ」(原氏)
- 藤原氏からの指摘: 「(2)【ツールの断絶】の記述で、『知的資産経営報告書』は作成主体が専門家であると断定されているが、企業が主体となって作っている事例も存在する。ほとんどが専門家主導であっても、制度の柔軟性や多様性を考慮し、正確な記述に留めるべきではないか」(藤原氏)
特に、原氏からは、「ツールの真の目的と支援者の役割」に関する記述について、「技術経営力評価制度は支援者が主導で評価するツールであるため、その記述が事実に反する可能性がある」という、ツールの特性に踏み込んだ鋭い指摘があり、記述の正確性を期すこととなりました。
3. 視覚的な訴求力の強化と最終体裁の確認
報告書をより分かりやすく、読者の理解を助けるための視覚的な要素の必要性も指摘されました。
- 西本・冨松両氏から、各ツールの特徴や複雑な分析結果、そして最終的な提言の全体像を視覚的に伝えるため、「ツールの特徴一覧」や「まとめの図」など、図表の追加が求められました。
- 上田氏からは、文書全体のプロフェッショナルな体裁に関する最終チェックが入りました。「一部**『ですます調』が残っている」「文頭の字下げが統一されていない」「AIが生成したような不要な強調記号(**)**が残っている」といった、公的報告書として極めて重要な表記ゆれの統一が宿題となりました。
決戦へ!報告会に向けた役割分担とタイトなスケジュール
原稿チェックを終え、議論は11月14日の報告会本番に向けた具体的な準備へと移行しました。
1. プレゼンテーションの役割分担
報告書の内容を熱意を持って伝えるため、きでるだけ各章の執筆担当がそのままプレゼンテーションの役割を担うことが決定しました。しかし、時間的制約もあり全体調整を施した結果は以下のとおり。
| 役割 | 担当者 | 担当パート |
| 全体MC | 西本 | 進行管理 |
| 開会挨拶 | 西口 | |
| 第1章・第6章 | 西口 | 導入、政策提言の総括 |
| 第2章 | 冨松+原 | 調査事実の解説(アンケート・インタビュー結果) |
| 第3章 | 藤原 | 活用モデル(最適化モデル)の詳細 |
| 第4章 | 上田 | 課題分析(断絶の構造)の核心 |
| 第5章 | 西本 | 提言内容の具体策 |
| 第7章の紹介 | 西本 | 報告書で使った調査資料の紹介 |
2. 最終チェックと広報活動の役割分担
タイトなスケジュールの中、完成度を高めるための最終チェック体制が確定しました。
- 原稿修正締切: 10月25日(土)中(厳守)
- 最終チェック: 10月26日に上田氏が全体をチェックし、11月3日に最終完成を目指す。
また、報告会への集客に向けた広報活動の役割も明確化されました。
- 金融機関・行政への広報: 西口リーダーが担当。
- 中小企業診断士協会への広報: 募集文章を作成し、事務局経由で全会員へ周知する役割も西口リーダーが担うことが確認されました。
最終報告書は「チームの知恵」の結晶へ
第9回会議は、報告書を「個人の執筆」から「チームの知恵の結晶」へと高めるための、最後の厳しい関門でした。
提言のリアリティと表現の正確性を徹底的に追求し、残された課題は、修正原稿に図表を盛り込み、最終体裁を整える作業のみとなりました。プロジェクトは、全員が最高のパフォーマンスを発揮し、11月14日の報告会というクライマックスへと、確実に歩みを進めています。
引き続き、私たちの挑戦の最終章にご期待ください!

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