兵庫の未来を創る挑戦。私たちが「事業性評価」の研究に情熱を注ぐ理由

兵庫の未来を創る挑戦。私たちが「事業性評価」の研究に情熱を注ぐ理由

本日、2025年5月26日、私たち兵庫県中小企業診断士協会の有志による、ある挑戦が本格的に始動したことをご報告いたします。それは、兵庫県の経済を根幹から支える中小企業の皆様の「生産性向上」という、重要かつ喫緊の課題に、全く新しい角度から光を当てる調査研究事業です 。

この「事業性評価ツールマガジン」をお読みの皆様は、日々、経営の最前線で、あるいは企業の伴走者として、真摯に事業と向き合われていることと存じます。私たちは、そんな皆様一人ひとりの努力が、確かな「企業の成長」という果実につながるための羅針盤を創り出したい。その一心で、このプロジェクトを立ち上げました。

今回は、私たちがなぜこの挑戦を始めようと決意したのか、その根底にある想いと、皆様と共に描きたい未来について、お話しさせてください。

目次

なぜ今、「事業性評価」の研究なのか?現場で感じた深刻な課題意識

ではなぜ今、「事業性評価」の研究が必要なのでしょうか。それは、私たち中小企業診断士が、そしておそらくはこれを読んでくださっている多くの事業者支援者の皆様が、日々の支援現場で感じているであろう共通の課題意識に根差しています。まずはその理由からお伝えします。

「ツールはあるが、活かせない」というジレンマ

「ローカルベンチマーク」「経営デザインシート」「知的資産経営報告書」「技術・経営力評価報告書」――。近年、企業の価値や将来性を評価するための「事業性評価ツール」が数多く提供されています 1。事業者支援に携わる皆様も、支援先企業にこれらのツールの活用を勧めたり、作成された書類に目を通したりする機会があるかと存じます。しかし、そのツールが支援先企業の「生産性向上」や「新たな価値創造」にまで、本当に繋がっているでしょうか。活用すべきツールがあるにも関わらず、その価値を十分に引き出せていない、という現実が横たわっています。

現場で聞こえてきた、切実な声

私たち中小企業診断士が日々の支援活動を行う中で、経営者の皆様から

「多忙な中、書類は作ったが、それで終わりになっている」
「正直、どう経営改善に活かせばいいのか分からない」
「社員や金融機関との対話が深まるきっかけになっていない」

といった、切実な声を数多く耳にしてきました。ツールを「作成すること」が目的化してしまい、本来の力を発揮できていないのです。この「宝の持ち腐れ」とも言える状況に、私たちは強い問題意識を抱いていました。

問題の本質は「活用の指針」の不足

この問題は、ツールの優劣にあるのではありません。企業が置かれた状況や成長の段階(ライフステージ)に応じて、「どのツールを、どのように組み合わせ、何を目的として活用すべきか」という、私たち支援者側が提示すべき実践的な指針が不足していることこそが、本質的な課題なのです。このままでは、せっかくのツールが企業の可能性を引き出すどころか、現場の負担を増やすことにもなりかねません。この共通課題を解決することが、ひいては地域経済全体の活性化に不可欠であると、私たちは考えています。

私たちが目指す壮大な未来:単なる「評価」から、企業の「価値創造」へ

では我々はこの活動によって、どのような壮大?な未来を築こうとしているのか?を解説したいと思います。

本プロジェクトが目指す3つのゴール

これまでの共通の課題意識に基づき、私たちのプロジェクトでは単なる実態調査に留まらない、3つの具体的なゴールを掲げています。これらは、事業性評価を単なる「評価」から、企業の未来を創る「価値創造」のプロセスへと昇華させるための、重要なステップです。

【ゴール1】実態の解明と効果の検証

まずは、県内の中小企業や金融機関の皆様へのアンケート調査、そして先進的な取り組みをされている企業へのインタビューを通じて、各種ツールの活用実態と、それがもたらす効果を徹底的に検証します。成功事例だけでなく、なぜ活用がうまくいかないのか、その要因にも深く切り込むことで、課題の輪郭を正確に捉えます。

【ゴール2】実践的ノウハウの体系化

次に、事業性評価の経験を豊富に持つベテランの中小企業診断士へのヒアリングを重ね、マニュアルには書かれていない「暗黙知」や「実践知」を掘り起こします。そして、企業の成長フェーズに応じた最適な評価手法の活用パターンを体系化し、支援現場の誰もが活用できる「現場起点のモデル」を構築することを目指します。

【ゴール3】金融機関との新たな連携モデルの提案

最終的には、この研究成果を基に、金融機関の企業支援力を強化し、中小企業の持続的成長を後押しするための「新たな連携支援」の形を、兵庫県への新提案としてまとめます。これは、兵庫県の中小企業、金融機関、そして私たち支援機関が一体となって未来を創るための、壮大な挑戦です。

目指すは「兵庫モデル」の確立と地域への貢献

この一連の活動が、兵庫県内の中小企業の生産性向上という喫緊の課題解決に貢献できると、私たちは確信しています。そして、将来的にはこの取り組みを、実践的な「兵庫モデル」として確立し、県への政策提言にまで繋げることで、地域経済全体の活性化に寄与したいと考えています。

この挑戦を実現する「チームの覚悟」と現在の活動

この壮大な未来図を実現するためには、強い意志と具体的な行動が不可欠です。次に、このプロジェクトを推進する私たちのチームと、現在の活動についてご紹介します。

責任と覚悟を胸に

この想いを実現するため、多様な専門性を持つ7名の中小企業診断士が集結しました 。本事業は、兵庫県中小企業診断士協会の令和7年度調査研究事業として、新規性、効果性、実現性などの厳しい基準による審査を経て、正式に採択されたものです 。そして、その活動資金は、会員の皆様からお預かりした貴重な年会費によって賄われています 。私たちは、その責任の重さを深く胸に刻み、必ずや皆様のお役に立つ有益な成果を生み出す覚悟です。

すでに行動は始まっている

私たちは机上で議論しているだけではありません。すでに5月から6月にかけて、尼崎、神戸、明石、加古川、姫路、そして但馬地域に至るまで、県内各地の金融機関10箇所以上を訪問し、現場の課題についてヒアリングを開始しています 。この「現場主義」こそが、私たちの研究の生命線です。

チーム一丸となって

現在、各メンバーが「ローカルベンチマーク」「経営デザインシート」「知的資産経営報告書」「技術・経営力評価報告書」など、それぞれの専門分野のツールについて深掘り調査を進めています 。今後、このマガジンでも各ツールの本質的な価値について解説記事を発信していく予定です。チーム一丸となり、全力でこの挑戦に取り組んでまいります。

はい、承知いたしました。

成果報告会がハイブリッド形式であることを明確に伝え、より多くの方に参加を促せるよう、最後のセクションのドラフトを作成します。


【予告】11月14日(金)、私たちの挑戦の集大成をあなたに

我々の調査事業の進捗はこの事業性評価ツールマガジンでご報告していきたいと思いますが、その集大成として、以下の成果報告会を企画しておりますので、事前に予告しておきたいと思います。

成果報告会で、未来への第一歩を共有します

この約半年間にわたる調査・研究の集大成として、成果報告会を開催することが決定しました。この会は、単なる研究結果の発表の場ではありません。私たちが構築した「事業性評価の活用モデル」を具体的に提示し、それが皆様の会社の生産性向上にどう繋がりうるのか、明日から実践できるヒントを共有する場です。

こんな方々にこそ、届けたい

  • 自社の強みを再発見し、成長戦略を描きたい中小企業の経営者の皆様
  • 融資先の事業性をより深く理解し、的確な支援を行いたい金融機関のご担当者の皆様
  • 効果的な企業支援のヒントを得たい各種支援機関、コンサルタントの皆様

私たちの挑戦のすべてを、この日に凝縮してお届けします。兵庫県の経済の未来を共に考え、創っていくための重要な一日です。

参加お申し込みのご案内

広大な兵庫県内のどちらからでもご参加いただきやすく、またより多くの皆様に成果をお届けするため、多様な参加方法をご用意いたしました。ご都合に合わせてお選びいただけます。

地域経済の未来を共に考えるこの貴重な機会に、ぜひご参加ください。

【令和7年度 調査・研究事業 成果報告会】

  • 日時: 2025年11月14日(金) 14:00~16:00
  • 開催会場: 神戸市産業振興センター 会議室802+803
  • 参加費: 無料
  • 参加方法:
    1. 会場でのリアル参加
    2. Zoomでのオンライン参加+後日での動画視聴参加
    ※お申し込み時に、ご希望の参加方法をお選びいただけます。なお、当日発表内容に質問ができるのは、会場参加のみです。また会場参加は席に限り(30名)がございますので、お早めにお申し込みください。

[▼成果報告会へのお申し込みはこちら]

皆様と会場で、そして画面越しにお会いできることを、チーム一同、心より楽しみにしております。

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この記事を書いた人

銀行員時代に中小企業の倒産を目の当たりにし、「支援したい」という強い使命感から中小企業診断士として独立しました。25年の経験を活かし「神戸密着経営」を掲げ、地域に根差し現場に寄り添う伴走型支援を提供しています。このマガジンでは、財務改善や資金繰り支援に特化した実践的な事業性評価のポイント、そして最新情報を発信し、皆様の事業発展を全力でサポートします。

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