経営デザインシートの基礎知識|書き方・雛型・事例で学ぶ価値創造とビジネスモデル再構築

経営デザインシートの基礎知識|書き方・雛型・事例で学ぶ価値創造とビジネスモデル再構築

現代の企業経営は、VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)と呼ばれる予測困難な環境下で展開されています。技術革新の加速、グローバル化の進展、そして顧客価値観の多様化は、従来の経営戦略や事業計画手法だけでは対応しきれない、そんな複雑な課題をどんどん生み出しています。特に、製品やサービスそのものだけでなく、体験や共感といった無形資産の価値が相対的に高まる時代においては、企業は自社の存在意義を問い直し、持続的な成長を実現するための新たな羅針盤を必要としています。

このような背景のもと、日本において開発された戦略的思考・対話のフレームワークが「経営デザインシート(Management Design Sheet, 以下MDS)」です。MDSは、企業が自社の過去・現在を深く理解し、未来のあるべき姿を描き出し、そこに至る道筋(価値創造メカニズム)を具体的に「デザイン」するためのツールとして位置づけられています。

このフレームワークは、内閣府の知的財産戦略推進事務局によって提唱され 1、2018年に公表されました。その主な目的は、企業、特に中堅・中小企業が自社の強みや知的財産を含む無形資産を認識・活用し、将来に向けた持続的な価値創造のストーリーを描くことを支援することにあります。MDSは単なる計画策定ツールではなく、経営者や従業員、さらには金融機関や支援機関といったステークホルダーとの対話を促進し、共通認識を醸成するためのコミュニケーションツールとしての役割も重視されています。

本レポートでは、この経営デザインシートについて、その開発経緯と基本理念、構造と構成要素、具体的な活用プロセス、期待される効果と応用分野、他の経営ツールとの比較、導入における留意点、そして関連リソースに至るまで、提供された情報に基づき、包括的かつ詳細な分析を行います。

目次

経営デザインシートの起源と哲学

背景:新たなアプローチの必要性

従来の経営計画は、過去の実績の延長線上で目標を設定する「積み上げ思考」に陥りやすく、また短期的な財務目標に偏重する傾向がありました。しかし、市場環境が劇的に変化し、不確実性が高まる現代においては、このようなアプローチでは持続的な成長を実現することが困難になっています。良いものを作れば売れるという20世紀型の経営モデルから、顧客の体験や共感を重視する21世紀型の経営モデルへと移行する中で、企業価値の源泉は、設備や資金といった有形資産から、技術、ノウハウ、ブランド、顧客との関係性、組織文化、そして知的財産といった無形資産へとシフトしています。これらの無形資産は、従来の財務諸表だけでは捉えきれず、その戦略的な活用が企業の競争力を左右する重要な要素となっています。

中核概念:「経営をデザインする」

MDSは、このような時代認識に基づき、「経営をデザインする」という新しいコンセプトを提示します 1。これは、単に外部環境の変化に対応したり、既存の事業を改善したりする(カイゼン思考)だけでなく、あるいは競合との差別化を図る(戦略思考)だけでもなく、自社の存在意義(パーパス)に基づき、将来のあるべき姿を能動的かつ創造的に構想し、その実現に向けた独自の「価値創造メカニズム」を構築していくプロセスを指します。価値創造メカニズムとは、企業が保有する資源(ヒト・モノ・カネ・情報・知的財産など)をどのように組み合わせ、どのような事業活動を通じて、顧客や社会にとっての価値を生み出し、対価を得るかという一連の仕組みのことです。

MDSにおける「デザイン」という言葉は、単なる分析や計画立案を超えた、より創造的で全体的なアプローチを示唆しています。それは、企業の「想い」やビジョンといった定性的な要素と、資源や市場環境といった定量的な分析を結びつけ、一貫性のある魅力的な戦略ストーリーを描き出すことを意味します。このプロセスでは、未来のあるべき姿から現在を振り返り、今何をすべきかを考える「バックキャスティング」のアプローチが推奨されます。これにより、過去の延長線上ではない、非連続的な成長や変革を目指すことが可能になります。

知的財産戦略の役割

MDSが内閣府の知的財産戦略推進事務局によって開発されたという事実は、その成り立ちにおいて知的財産(IP)の位置づけが極めて重要であることを示しています。MDSのフレームワークは、特許、商標、意匠、ノウハウ、ブランド、データといった知的財産を、単なる権利保護の対象としてではなく、企業の価値創造メカニズムの中核的な資源として捉え、事業戦略と一体的にデザインすることを促します。

これは、日本の産業競争力を強化するためには、企業が保有する優れた技術やアイデアといった知的資産を、より戦略的に事業価値に結びつける必要があるという政策的な意図を反映しています 9。多くの企業にとって、知的財産管理部門と事業戦略部門の連携は長年の課題でしたが、MDSは、両者を結びつけ、経営レベルでの対話を通じてIPの戦略的活用を促進するための共通言語と枠組みを提供することを目指しています。シートの構造自体にIPに関する項目が組み込まれていることは 11、IPを戦略的思考の中心に据えようとする明確な意図の表れと言えるでしょう。

経営デザインシートの構造:事業の物語を可視化する

フォーマット概要

MDSは、多くの場合、A3用紙一枚にまとめられるように設計されています 2。これは、企業の経営戦略に関わる多様な要素を一覧化し、全体像を俯瞰的に把握できるようにするためです。複雑な経営状況を視覚的に整理することで、要素間の関連性や戦略の一貫性を確認しやすくなります 17。シートには、標準版の他に、より簡略化された「簡易版」や、複数の事業を持つ企業向けの「全社用」、特定の事業に焦点を当てる「事業用」、そして大企業特有の課題に対応した「大企業版」など、いくつかのバリエーションが存在します 1

主要セクション(4つの構成要素)

MDSは、基本的に以下の4つの主要なセクション(領域)から構成されています 2

(A) 存在意義(目的・経営方針・ありたい姿)

  • 内容: このセクションでは、企業の根幹をなす理念、ビジョン、ミッション、重視する価値観、社会に対して果たしたい役割、目指すべき将来像などを記述します 11。企業が「何のために存在するのか」という問いに対する答えを明確にする部分です。事業コンセプトや企業文化、キャッチフレーズなども含まれます 13
  • 意義: 戦略全体の土台となる部分であり、すべての経営判断や活動の拠り所となります。単なる利益追求を超えた、企業の独自の存在理由を定義することで、従業員のエンゲージメントを高め、ステークホルダーからの共感を得る基盤となります 1

(B) これまで(過去~現在の状況)

  • 内容: 企業の現在地を客観的に把握するためのセクションです。これまでの事業活動を通じて、どのような外部環境(政治、経済、社会、技術など)の中で 13、どのような経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報、知的財産、外部調達資源など)を活用し 11、どのようなビジネスモデル(価値創造と収益獲得の仕組み)を構築し 11、誰に対してどのような価値(製品、サービス、顧客体験)を提供してきたのかを分析します 11。また、これまでの知的財産の役割 11、自社の強み、顧客から得てきたもの(信頼、データなど) 13、そして現在の事業課題や弱みも明確にします 13。複数事業を持つ企業の場合は、事業ポートフォリオの現状も分析します 13
  • 意義: 将来の戦略を構築するための現実的な基盤を提供します。過去の成功体験や失敗、現在の強みと弱みを正確に認識することで、将来に向けた課題と機会を特定することができます 5。この客観的な自己分析が、地に足のついた戦略立案を可能にします。

(C) これから(将来のあるべき姿)

  • 内容: 企業が目指す未来を描くセクションです。将来の外部環境の変化(市場トレンド、技術動向、社会の変化など)を予測し 11、その中で自社がどのような顧客に対して、どのような新しい価値を提供していきたいのか(将来の価値提供)を構想します 11。その価値を実現するために、どのようなビジネスモデルを構築し 11、どのような資源(新たに獲得・強化すべきものを含む)が必要になるか 11、そして将来の事業において知的財産がどのような役割を果たすべきか 13 を具体的に描きます。目指すべき市場でのポジションや、社会への貢献についても言及します 11
  • 意義: MDSの中核となる「デザイン」要素です。現状の延長線上ではない、意欲的で創造的な未来像を描くことを促します 10。過去から未来への変化を意識することで、イノベーションの方向性や、変革の必要性を明確にすることができます。

(D) これからへの移行戦略

  • 内容: 「これまで(B)」と「これから(C)」のギャップを埋め、将来像を実現するための具体的な道筋を示すセクションです。将来必要な資源をどのように獲得するか(自社開発、M&A、アライアンスなど) 11、どのような具体的な施策や解決策を実行するか 11、その過程で想定される課題は何か 11、そして目標達成度を測るためのKPI(重要業績評価指標)などを設定します 13。全社戦略や経営方針との整合性も確認します 13。事業レベルでは撤退基準、全社レベルでは企業全体の持続可能性を高める策なども検討項目に含まれます 13
  • 意義: 構想したビジョンを具体的な行動計画に落とし込み、戦略の実効性を担保します 11。これにより、MDSが単なる理想論で終わることを防ぎ、着実な変革を推進するためのロードマップとなります。

経営デザインシートのバリエーションとカスタマイズ

MDSには、企業の状況や目的に応じて使い分けられる複数のバージョンが存在します。

  • 簡易版: 主な要素に絞り込み、より手軽にMDSの考え方を導入できるようにしたバージョンです。中小企業や、初めてMDSに取り組む場合に適しています 4
  • 大企業版: アビームコンサルティング社が、内閣府の助言等を踏まえて策定したバージョンです 1。大企業特有の課題、例えば既存事業の慣性力(積み上げ思考からの脱却)、顧客起点でのイノベーション創出の弱さ、資本市場からの短期的な要求と長期ビジョンの整合性、ステークホルダーへの戦略ストーリーの訴求力といった問題意識に対応するよう設計されています 1。未来起点の思考、顧客起点の価値創造、資本市場との整合性、将来構想に向けたストーリーテリングを特に重視している点が特徴です 1

これらのバージョンの存在は、MDSの基本コンセプトが持つ柔軟性と適応性の高さを示しています。標準版が提供する核となるフレームワークを維持しつつも、簡易版は導入のハードルを下げ、大企業版はより複雑な組織構造や外部環境に対応するためのカスタマイズが施されています。これは、MDSの考え方が普遍的でありながらも、具体的な適用においては企業の規模や直面する課題に応じた調整が必要であることを示唆しています。

表1:経営デザインシートのバージョンの比較

特徴標準版簡易版大企業版 (アビームコンサルティング)
主要セクション(A)存在意義, (B)これまで, (C)これから, (D)移行戦略の4要素が基本 13主要要素を簡略化 4基本4要素を踏襲しつつ、大企業の文脈に合わせて項目を調整 1
主な焦点価値創造メカニズムの全体像の可視化と将来構想 1迅速な現状把握と将来の方向性検討積み上げ思考からの脱却、未来・顧客起点、資本市場との整合、戦略ストーリーの重視 1
対象ユーザー層中堅・中小企業、事業部門など中小企業、小規模事業者、入門者大企業、経営企画部門、事業部門
複雑性中程度高(大企業特有の論点を包含)
IP/財務の強調IPの役割を明確化 11。財務は意図的に初期段階では軽く扱う 13IP・財務の扱いは標準版に準じる可能性IPの戦略的活用に加え、資本市場の視点(財務的側面)との整合性を重視 1

注: 上記は提供された情報に基づく一般的な比較であり、具体的なシートの構成はバージョンや改訂によって異なる場合があります。

作成プロセス:経営デザインシートの活用方法

思考の枠組み:箱を埋める以上のこと

MDSの活用は、単にシートの各項目を埋める作業ではありません。それは、企業の将来を構想するための思考補助ツールであり、関係者間の対話を促進するためのプラットフォームです 10。その根底には、デザイン思考にも通じる考え方があります 10。すなわち、現状分析や競合比較に留まらず、顧客や社会の潜在的なニーズ(ウォンツ)を探求し、新たな価値提案を創造することを目指します 10

MDSの活用においては、過去の実績から未来を予測する「フォアキャスティング」だけでなく、まず**理想とする未来像(C: これから)を描き、そこから逆算して現在何をすべきか(D: 移行戦略)を考える「バックキャスティング」**のアプローチが特に重要視されます 11。これにより、既存の延長線上ではない、非連続的な発想や大胆な変革を促すことができます。また、企業の存在意義やパーパス(A: 存在意義)を常に意識し、それが戦略全体と一貫しているかを確認することも求められます 13

実施体制とコラボレーション

MDSの作成と活用は、経営者や一部の担当者だけで完結するものではありません。その効果を最大限に引き出すためには、経営層、各部門の責任者、従業員、場合によっては後継者候補など、多様な関係者を巻き込んだ対話と協働が不可欠です 2。異なる視点や経験を持つ人々が議論に参加することで、より多角的で深い洞察が得られ、組織全体の当事者意識とコミットメントを高めることができます。

特に初期段階や、組織内での対話が難しい場合には、中小企業診断士やコンサルタント、金融機関の担当者といった外部の専門家によるファシリテーションが有効な場合があります 1。ファシリテーターは、議論を構造化し、参加者の発言を促し、建設的な対話を通じて本質的な課題の発見や創造的なアイデアの創出を支援します。

実践的なステップ(反復プロセス)

MDSの作成プロセスは、必ずしもA→B→C→Dの順番に進める必要はありません。むしろ、書けるところから書き始め、各セクション間を行き来しながら、内容を深掘りし、整合性を高めていく反復的なプロセスが推奨されます 13

  1. 準備: 市場動向、競合情報、自社の財務状況、保有技術やノウハウ、顧客の声など、関連する情報を収集・整理します。
  2. ドラフト作成: まずは思いつくことから各セクションに記入していきます。例えば、「将来こうありたい」というビジョン(C)から始めることも、「現在の強みや課題」(B)の分析から入ることも可能です 13。完璧を目指す必要はありません。
  3. 対話と洗練: 作成したドラフトを基に、関係者間で議論を行います 2。シートの内容について、「なぜそう考えるのか?」「他の可能性はないか?」「具体的にはどういうことか?」といった問いを投げかけ、相互に理解を深め、アイデアを磨き上げていきます 13。この対話プロセス自体が、MDSの価値の中核をなします。
  4. 他のツールとの連携: 必要に応じて、SWOT分析(現状分析の深化)13、ビジネスモデルキャンバス(将来のビジネスモデルの具体化)26、ローカルベンチマーク(現状の定量的・定性的把握)18 などの他のフレームワークを併用し、分析や構想を補強します。
  5. 行動計画への落とし込み: 「移行戦略」(D)で描いた方向性を、具体的なアクションプランに展開します。誰が、いつまでに、何を行うのかを明確にし、実行可能な計画へと具体化します。

活用上の留意点

MDSを効果的に活用するためには、いくつかの点に留意する必要があります。

  • 財務的実現可能性: 将来構想を描く際には、自由な発想を妨げないよう、初期段階では財務的な制約に過度に縛られないことが推奨されます 13。しかし、最終的な移行戦略を策定する段階では、財務的な実現可能性を考慮に入れる必要があります。
  • 外部への開示: 作成したMDSを金融機関や提携先などの外部に示す際には、記述内容の表現ぶりや、開示する情報の範囲(特に機密性の高い情報)について慎重に検討する必要があります 13
  • 課題への直面: 自社の弱みや課題(B、D)から目を逸らさず、客観的に認識し、その解決策を考えることが重要です 11
  • 目的意識: シートを完成させること自体が目的ではなく、あくまで将来を構想し、変革を実現するための手段であることを常に意識する必要があります 13
  • 継続的な見直し: 経営環境は常に変化するため、一度作成したMDSも固定的なものとせず、定期的に見直し、更新していくことが重要です。

経営デザインシートの応用と利点:戦略的変革を推進する

経営デザインシート(MDS)は、その構造とプロセスを通じて、企業経営の様々な側面において具体的な利点をもたらします。

戦略計画とビジョン設定

MDSは、企業の長期的なビジョンや「ありたい姿」を明確にし、それを組織全体で共有するための強力なツールとなります 1。単に目標を設定するだけでなく、その目標に至るまでの価値創造の仕組み全体をデザインすることで、より具体的で実行可能な戦略を策定することが可能になります 1。特に、複数の事業部門を持つ企業においては、各部門の戦略と全社的なビジョンとの整合性を図り、リソース配分の最適化を検討する上でも役立ちます 1。A3一枚というフォーマットは、複雑な戦略要素を俯瞰的に捉え、全体像を把握することを助けます 2

コミュニケーションとステークホルダー・エンゲージメント

MDSの最も重要な機能の一つは、コミュニケーションツールとしての役割です 2。シートを作成する過程での対話、そして完成したシートを用いた説明は、経営層と従業員間の相互理解を深め、ビジョンや戦略に対する納得感(腹落ち)を醸成します 2。これにより、組織の一体感を高め、戦略実行へのコミットメントを引き出すことができます。

さらに、MDSは社外のステークホルダーとの対話においても有効です。金融機関に対しては、単なる財務諸表だけでは伝わらない事業の将来性や強み、戦略的な取り組みを具体的に示すことで、事業性評価の向上や円滑な資金調達につながる可能性があります 2。投資家に対しては、企業の成長ストーリーと価値創造の道筋を明確に伝えることができます 2。また、提携候補先との間では、オープンイノベーションに向けた共通言語として機能し、連携を促進する効果も期待できます 2。シートのスペースが限られていることは、逆に企業にとって本当に重要なコア要素を凝縮して表現することを促し、メッセージの明確化に貢献します 2

事業承継の円滑化

特に中小企業において重要な経営課題である事業承継においても、MDSは有効なツールとなり得ます 2。後継者は、MDSを通じて、創業者の想いや企業の歴史(これまで)、現状の強み・弱み、そして目指すべき将来像(これから)とそれに向けた戦略(移行戦略)を体系的に理解することができます 5。これにより、単に株式や資産を引き継ぐだけでなく、経営の根幹にある理念や戦略、そして無形の価値(知的資産)を円滑に承継し、次世代の経営へと繋げていくことが可能になります。これは、事業承継が単なる財産の移転ではなく、経営のバトンタッチであることを考えると、極めて重要なプロセスです。承継を機に、現経営者と後継者が共にMDSを作成・議論することは、両者の認識を合わせ、将来に向けた共通の土台を築く上で大きな意味を持ちます。

イノベーションと新規事業開発

MDSの未来志向的なフレームワークは、既存事業の改善に留まらず、新たな価値提案やビジネスモデルの創出を促進します 1。将来の環境変化や顧客ニーズを予測し(これから)、それに対応するための新しい価値創造メカニズムをデザインするプロセスは、イノベーションの種を発見し、育む土壌となります。例えば、株式会社ジンズ(JINS)が、メガネ販売という既存事業から、データ活用による健康サービスや新しい働き方を支援する「Think Lab」といった新規事業へと展開する戦略を可視化し、関係者への説明にMDSを活用した事例が報告されています 6。MDSは、イノベーションに必要な資源やパートナーシップを特定し、その実現に向けた道筋を描く上でも役立ちます。

組織開発と人材育成

MDS作成のプロセスに関与することは、参加者自身の戦略的思考力や大局観を養う機会となります。特に、次世代の経営幹部候補などが経営層と共にMDSを用いた議論に参加することは、経営視点を学び、自社の将来に対する当事者意識を高める上で効果的です 1。また、将来構想(これから)を実現するために必要なスキルや能力を特定することで、組織としての人材育成計画や能力開発の方向性を定める上でのインプットにもなります 11

表2:経営デザインシートの主な応用分野と利点

応用分野説明主な利点
戦略計画・ビジョン設定企業の長期ビジョン、価値創造メカニズム、および実現戦略を明確化・可視化する 1全体像の俯瞰 2、戦略の具体化 17、部門間・全社戦略との整合性向上 1
内部コミュニケーション経営層と従業員間でビジョンや戦略に関する対話を促進し、共通認識を醸成する 2組織内の一体感向上、戦略への納得感・コミットメント向上、部門間の連携促進
外部コミュニケーション金融機関、投資家、提携先などのステークホルダーに対し、企業の価値と将来性を説明する 2資金調達の円滑化、投資家へのアピール強化、パートナーシップ構築の促進、事業性評価の向上
事業承継現経営者から後継者へ、企業の理念・歴史・戦略・無形資産を体系的に伝達する 2円滑な経営のバトンタッチ、後継者の早期の経営理解促進、承継後の事業継続性の向上
イノベーション・新規事業開発未来志向で新たな価値提案やビジネスモデルを構想し、実現に向けた計画を立てる 1新規事業機会の発見、イノベーションの方向性明確化、必要な資源・能力の特定
知的財産(IP)戦略統合IPを経営戦略の中核要素として位置づけ、その活用方法を具体的にデザインする 2IPの戦略的価値向上、無形資産の活用促進、競争優位性の構築・強化

経営デザインシートと知的財産(IP)との関係

経営デザインシート(MDS)が内閣府の知的財産戦略推進事務局によって主導された背景には、企業の知的財産(IP)を経営戦略の中核に据え、その価値を最大化するという明確な意図があります 6。MDSは、この目的を達成するための具体的なフレームワークを提供します。

IPの戦略的統合

MDSの構造には、「これまで」のセクションにおける「知的財産の果たしてきた役割」や、「これから」のセクションにおける「知的財産の果たす役割」といった項目が明示的に含まれています 11。これは、単に保有する特許や商標をリストアップするだけでなく、それらが過去の事業においてどのように競争優位性や収益に貢献してきたのか、そして将来の価値創造メカニズムにおいて、どのような役割を果たすべきなのか(あるいは、どのような新たなIPが必要になるのか)を、経営レベルで深く考察することを促すものです 11。これにより、IPが単なる技術部門や法務部門の管轄事項ではなく、全社的な経営戦略の一部として議論されるようになります。

保護から価値創造へ

伝統的に、IP戦略は権利取得と侵害からの保護(ディフェンス)に重点が置かれがちでした。しかし、MDSは、IPを事業成長や新たな価値創造(オフェンス)に積極的に活用する視点を強調します 11。例えば、取得した特許技術を核とした新規事業の立ち上げ、ブランド価値を高めるための商標戦略、模倣を防ぎつつデザイン性を収益に繋げる意匠権の活用、あるいは社内に蓄積されたノウハウやデータの戦略的な活用などが考えられます。MDSは、これらのIP活用を、企業のビジネスモデルや提供価値と結びつけて具体的にデザインするための思考の枠組みを提供します。

価値デザイン経営との連携

MDSは、「価値デザイン経営」という、より広範な概念の実践ツールとしても位置づけられています 4。価値デザイン経営とは、企業の持つ有形・無形の資産(特に知的資産)を効果的に組み合わせ、独自の価値創造メカニズムを構築・進化させることで、持続的な成長を目指す経営の考え方です。MDSは、この価値デザイン経営の理念を具体的なシートに落とし込み、企業が自社の価値創造プロセスを可視化し、将来に向けてデザインしていく作業を支援します。知的財産推進計画2020においても、ニューノーマル時代における産業構造変革と持続的成長のために、価値デザインの考え方とMDSの普及浸透が重要であると指摘されています 9

このように、MDSはIPを単なる法律や技術の問題としてではなく、企業の競争力の源泉であり、未来を切り拓くための戦略的資産として捉え直すことを促します。これは、無形資産の重要性が増す現代経済において、日本企業が持続的な成長を遂げるための鍵となる考え方と言えるでしょう。

他の経営ツールとの比較

経営デザインシート(MDS)は、企業の戦略策定や現状分析に用いられる他の多くのツールと、その目的や焦点において共通点と相違点を持っています。主要なツールとの比較を通じて、MDSの独自性と位置づけを明確にします。

経営デザインシート vs. SWOT分析

  • 関係性: SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)は、MDSの作成プロセスにおいて、特に「これまで(B)」のセクションにおける内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)の分析、および「これから(C)」のセクションにおける将来の外部環境(機会・脅威)の予測に活用できる、あるいはMDSの作成補助シートとして用意されている場合があります 13
  • 相違点: SWOT分析が特定の時点における状況を静的に評価するフレームワークであるのに対し、MDSは「これまで」→「これから」→「移行戦略」という時間軸に沿った物語的な構造を持ち、企業がどのように価値を創造してきたか、そして将来どのように創造していくかという価値創造メカニズムの変化を描き出すことに主眼を置いています 14。MDSは、SWOT分析の結果をインプットとしつつ、よりダイナミックで戦略的なストーリーを構築するための枠組みを提供します。また、MDSは未来から現在を考えるバックキャスト思考を重視する点も特徴です 14

経営デザインシート vs. ビジネスモデルキャンバス (BMC)

  • 関係性: 両者は補完的な関係にあります。MDSが企業全体のパーパスや長期的な方向性、過去からの変遷を含む広範な戦略的文脈を設定するのに対し、BMCはその文脈の中で、特定の事業や製品・サービスの具体的なビジネスモデル(顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、キーリソース、キーアクティビティ、キーパートナー、コスト構造の9要素)を詳細に設計・分析するためのツールとして活用できます 26。MDSで描いた「これから」の価値提案やビジネスモデルの骨子を、BMCを用いてさらに具体化していく、といった連携が考えられます 26
  • 相違点: MDSは、企業の存在意義(A)や過去からの経緯(B)、そして未来への移行戦略(D)といった、BMCが直接的には扱わない要素を含み、より全体的・長期的な視点を提供します 26。また、MDSは意図的に初期段階では詳細な財務情報(収益・費用)を前面に出さないことで、自由な発想を促そうとする設計思想が見られますが 29、BMCは収益の流れとコスト構造を必須の構成要素として含んでいます。MDSは「なぜ(Why)」や「どこへ(Where to)」を問いかける側面が強く、BMCは「どのように(How)」を具体化する側面が強いと言えるでしょう 31

経営デザインシート vs. ローカルベンチマーク (ロカベン)

  • 関係性: これらも補完的に利用されることが想定されています。ローカルベンチマークは、経済産業省が提供するツールで、企業の財務情報と非財務情報(商流・業務フローなど)を分析し、経営状態の**現状把握(健康診断)**を行うことを主目的としています 27。MDSは、ローカルベンチマークによって把握された現状(As-Is)を基に、将来のあるべき姿(To-Be)を構想し、そこへの移行戦略をデザインするために用いられます 18。両者を組み合わせたワークシートも提案されています 35
  • 相違点: ローカルベンチマークが主に現状診断ツールであるのに対し、MDSは未来構想・戦略デザインツールとしての性格が強いと言えます 32。ローカルベンチマークは、金融機関などが企業の経営状態を把握するための共通言語としても利用されますが 33、MDSはより企業内部の戦略的対話や将来設計に重きを置いています。

これらの比較から、MDSは単独で完結するツールではなく、他の分析・計画ツールと連携させることで、その価値をさらに高めることができるフレームワークであると言えます。特に、日本政府(内閣府、経済産業省)がMDSとローカルベンチマークの両方を推進していることは、企業の現状把握から将来設計、そして金融機関との対話に至るまでの一連のプロセスを支援しようとする政策的な意図を示唆していると考えられます。これは、企業が直面する課題に応じて、基本的な健康診断(ロカベン)から、より高度な戦略デザイン(MDS)へとステップアップしていく、段階的な支援アプローチを想定しているのかもしれません。

表3:主要な戦略ツールの比較概要

ツール主な焦点時間軸主要要素主なアウトプット強み弱み
経営デザインシート (MDS)価値創造メカニズムのデザイン、将来構想、戦略ストーリー 1過去・現在・未来・移行(動的)(A)存在意義, (B)これまで, (C)これから, (D)移行戦略 13企業の将来像と実現に向けた戦略ストーリー全体像の可視化、対話促進、未来志向、IP統合 2作成に時間と労力、財務的側面は別途検討要 29、ファシリテーションが効果に影響
SWOT分析特定時点での内部・外部環境の評価 36現在(静的)強み (Strengths), 弱み (Weaknesses), 機会 (Opportunities), 脅威 (Threats)現状の戦略的ポジションの把握シンプルで汎用性が高い 36、現状分析の基礎となる分析自体が戦略を生まない、時間軸がない、要素間の関連付けが弱い
ビジネスモデルキャンバス (BMC)特定事業のビジネスモデルの構造化・可視化 26主に現在~近い将来9つの構成要素(顧客、価値提案、チャネル、関係、収益、リソース、活動、パートナー、コスト)具体的なビジネスモデルの設計図ビジネスモデルの全体像把握、要素間の関係理解、アイデアの具体化に優れる長期的な戦略的文脈や組織の歴史・文化を扱いにくい、財務的側面が強い
ローカルベンチマーク (ロカベン)企業の財務・非財務情報の現状把握(健康診断)32主に現在財務指標(6項目)、非財務情報(商流、業務フロー、4つの視点)企業の経営状態に関する診断レポート企業の現状を定量的・定性的に把握、金融機関との共通言語 33主に現状分析に特化しており、未来構想や戦略策定機能は限定的 32

経営デザインシートの導入と活用における課題と留意点

経営デザインシート(MDS)は多くの利点を持つ一方で、その導入と効果的な活用にはいくつかの課題や留意すべき点が存在します。

思考様式の転換

MDSが求める未来起点・バックキャスト思考や、既存の枠にとらわれないデザイン思考は、日々の業務や従来の計画プロセスに慣れた組織にとっては、マインドセットの転換を必要とします 1。特に、過去の成功体験が強い組織や、短期的な業績を重視する文化がある場合、長期的な視点での構想や、不確実性を伴う新しい取り組みに対する抵抗感が生まれる可能性があります。

時間とリソースのコミットメント

MDSを用いた本質的な議論と戦略策定は、相応の時間と労力を要します。「役員とたまに経営の話合いをするけれど、深い議論をしたことがない」「課題は認識しているが、忙しくて系統立てて考えたことがない」といった声も聞かれるように 37、多忙な経営者や担当者が、日常業務から離れて戦略的思考に集中するための時間を確保することが、最初のハードルとなる場合があります。

表面的な活用に終わるリスク

MDSはあくまで思考と対話を補助するツールであり、シートを埋めること自体が目的ではありません 13。しかし、十分な議論や内省なしに、形式的にシートを作成するだけでは、表面的な分析やありきたりの計画に終わり、本質的な変革に繋がらないリスクがあります。参加者の当事者意識の欠如や、本音での議論を避ける組織文化も、このリスクを高める要因となります。

ファシリテーションの重要性

多様な意見を引き出し、建設的な議論を導き、参加者の納得感を醸成するためには、効果的なファシリテーションが鍵となります。特に、異なる部門間の利害が対立する場合や、従来の考え方に固執する意見がある場合など、中立的で熟練したファシリテーター(内部または外部)の存在が、MDSプロセスの成否を左右することがあります。

財務計画との連携

MDSは、初期段階では意図的に財務的な制約から離れて自由な発想を促しますが 29、最終的には描かれた戦略(特に移行戦略)の実行可能性を担保するために、具体的な財務計画や予算との連携が不可欠です。MDSで構想された戦略を、実現可能なアクションプランと財務的裏付けに落とし込むための、追加的なプロセスが必要となります。

組織文化への適合

MDSが重視する対話、共創、オープンな議論といったプロセスは、組織の文化によっては馴染まない場合があります。トップダウン型の意思決定が強い組織や、部門間の壁が高い組織、失敗を許容しない文化を持つ組織などでは、MDSの導入と定着に際して、組織文化そのものへの働きかけが必要になることも考えられます。

これらの課題を認識し、導入目的の明確化、経営層のコミットメント、適切なファシリテーション、そして継続的な取り組みを通じて克服していくことが、MDSを真に価値ある経営ツールとして活用するための鍵となります。

経営デザインシートのリソースと今後の展開

経営デザインシート(MDS)に関心を持ち、その活用を検討する企業や支援者向けに、様々な情報源やサポート体制が存在します。また、MDS自体も進化を続けています。

公式情報源とテンプレート

MDSに関する最も基本的な情報は、日本政府の関連ウェブサイトから入手できます。

  • 内閣府 知的財産戦略推進事務局: MDSの提唱元であり、基本的な考え方、各種テンプレート(標準版、簡易版など)、作成テキスト、活用事例などが公開されています 2。シートのリデザインに関する情報などもここで確認できます 17
  • 経済産業省・特許庁: デザイン経営に関する情報の一環として、MDSへのリンクや関連資料が紹介されている場合があります 38。特に、ローカルベンチマークとの連携についても触れられています 39

これらの公式サイトからは、PDF形式などで各種テンプレートや記入ガイドがダウンロード可能であり、MDSを始める上での第一歩となります 1

サポートと研修

MDSの導入や活用を支援するための研修、セミナー、コンサルティングサービスも提供されています。

  • コンサルティングファーム: アビームコンサルティング社のように、大企業版MDSを開発し、その導入支援を行っている企業があります 1
  • 金融機関: 筑波銀行のように、取引先の中小企業向けにMDSを活用した経営塾やセミナーを開催している例があります 4。但陽信用金庫などもMDS作成セミナーを実施しています 23
  • 中小企業支援機関・業界団体: 商工会議所 40、中小企業基盤整備機構(中小機構)41、都道府県の中小企業振興公社や産業支援センター 42、中小企業診断士協会などが、MDSに関する情報提供やセミナー、専門家派遣などの支援を行っている場合があります。
  • 研修・セミナー提供機関: 日本生産性本部 44 や、知的資産経営に関する教育機関 45 などが、MDSを含む戦略策定や知的資産経営に関する研修プログラムを提供しています。2025年に向けた研修コースの案内も見られます 23

これらのサポートを活用することで、MDSの理解を深め、自社に合った効果的な活用方法を学ぶことができます。

経営デザインシートの今後の展開と進化

MDSは固定的なツールではなく、その普及と活用を通じて進化・発展していくことが想定されています。

  • バージョンの改訂: 内閣府による実証調査報告書では、「経営デザインシート 2.0 初版」として、将来価値起点のバックキャスト思考をより強化したフレームワークへの修正案が提示されており 6、今後も改善が続けられる可能性を示唆しています。シートのリデザインコンペティションなども行われています 17
  • 普及促進: 価値デザイン経営ワーキンググループ(WG)などが設置され、普及状況のモニタリングや民間による実践に向けた取り組みが検討されています 8。金融機関との連携強化や専門家ネットワークの形成なども今後の戦略として挙げられています 6
  • 活用範囲の拡大: 当初は中堅・中小企業が主な対象として想定されていましたが、近年では統合報告書を作成するような大企業での活用も広がりを見せているとの指摘もあります 47

このように、MDSは、日本の企業が変化に対応し、持続的な価値創造を実現するためのツールとして、今後もその重要性を増していくと考えられます。関連情報の収集やコミュニティへの参加を通じて、最新の動向や活用事例を把握していくことが推奨されます。

まとめ:経営デザインシートの実効性について

経営デザインシート(MDS)は、変動性と不確実性が高まる現代の経営環境において、日本企業が自らの進むべき道筋を描き出し、持続的な成長を実現するための羅針盤となり得る、強力な戦略的思考・対話フレームワークです。内閣府知的財産戦略推進事務局によって提唱されたこのツールは、単なる計画策定の枠組みを超え、企業の存在意義(パーパス)を問い直し、過去から現在に至る価値創造のメカニズムを深く理解した上で、未来のあるべき姿を能動的に「デザイン」することを促します。

MDSの最大の特徴は、企業の全体像を一枚のシートに可視化し、「これまで」「これから」「移行戦略」という時間軸に沿った物語として戦略を捉える点にあります。これにより、複雑な経営要素の関係性を俯瞰的に把握し、一貫性のある戦略ストーリーを構築することが可能になります。また、知的財産を含む無形資産を戦略の中核に位置づけ、その活用を具体的にデザインすることを促す点も、現代の価値創造において極めて重要です。

さらに、MDSは対話ツールとしての機能も重視されています。経営層、従業員、後継者、金融機関、支援機関といった多様なステークホルダーとの間で、企業の現状と将来像について共通認識を醸成し、建設的な議論を通じて戦略を磨き上げるプロセスは、組織の一体感を高め、変革へのコミットメントを引き出す上で不可欠です。特に、事業承継や金融機関との関係構築、イノベーション推進といった具体的な経営課題においても、その有効性が示唆されています。

一方で、MDSの活用には、未来起点での思考様式の転換、十分な時間とリソースの投入、表面的な活用に終わらないための真摯な取り組み、そして効果的なファシリテーションといった課題も伴います。しかし、これらの課題を乗り越え、MDSを組織の戦略策定プロセスに組み込むことは、従来の積み上げ思考や短期的な視点から脱却し、長期的な視点に基づいた持続可能な価値創造へと舵を切るための大きな推進力となるでしょう。

結論として、経営デザインシートは、戦略的な方向性を見失いがちな企業、無形資産の活用に課題を抱える企業、円滑な事業承継を目指す企業、そして組織全体の対話と共創を通じて未来を切り拓こうとするすべての企業にとって、検討に値する価値ある戦略ツールであると言えます。政府機関、支援機関、研修機関などから提供されるリソースを活用し、自社の状況に合わせてこのフレームワークを導入・実践することは、不確実な時代を乗り越え、持続的な成長を達成するための重要な一歩となるでしょう。

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この記事を書いた人

長年大手電機メーカーで培った技術と市場洞察を活かし、中小企業診断士として独立後15年、経営コンサルタントとして成長戦略と課題解決を支援。しかし、事業性評価に基づく資金調達の難しさに課題を感じ、「事業性評価ツールマガジン」を構想。この情報サイトが、中小企業経営者や金融機関、支援者の皆様の未来を拓く一助となれば幸いです。

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